『惰性でサッカー続けるくらいなら、さっさとやり切っちゃえ。』元サッカー選手・丸山龍也さんに聞く、競技との向き合い方。

インタビュー記事
『惰性でサッカー続けるくらいなら、さっさとやり切っちゃえ。』元サッカー選手・丸山龍也さんに聞く、競技との向き合い方。

ピッチで輝かしいプレーを見せるアスリート1人1人に、育成年代の頃の努力や周囲のサポートがあり、引退後の新たなチャレンジがある。izmマガジンではアスリートを中心にスポーツに向き合う人々のストーリーを、良い部分も悪い部分も包み隠さずお届けする。

Vol.1の今回はNPO法人izmの理事でもあり、2018年にテレビ朝日系列「激レアさんを連れてきた。」に出演して話題になった元サッカー選手の丸山龍也さんをゲストに迎え、これまで話してこなかった”サッカーへの想い”をお聞きしました。スポーツ選手なら誰しも、現役引退の引き際は難しいもの。丸山さんの「やり切った感」とは?

〈PROFILE)丸山 龍也
〈Twitter)@maru_ryuya
1992年7月4日生まれ、横浜市出身。国内地域リーグ、ラインメール青森FC、岩手県の社会人チームなどに所属。大怪我を乗り越えて、その後は海外クラブのテストを受験し、スリランカ、リトアニアのプロチームでプレーした。2017年にスペインのプロテストに挑戦。しかし「選手としては厳しい」と告げられ、契約にはいたらず、現役を引退すると決意。引退後は、異国の地での経験から日本のマンガに大きな可能性を感じ、18年8月にJリーグ55クラブのホームタウンを舞台とした、ご当地サッカーマンガを制作する株式会社ワンディエゴ丸出版社(現 株式会社マウントゼロ)を立ち上げ、サッカースクール事業やアパレル事業など、多岐にわたるチャレンジを続けている。

【izm:五勝出】
ブラジルから始まり、スリランカやリトアニア、スペインにまで及んだ世界中を舞台に日本代表を目指してボールを蹴り続けた丸山くんこと「丸ちゃん」のストーリーは、激レアさんやご自身のnoteでも伝えられていると思うので、今日はその裏側にあったサッカーに対する想いや葛藤、育成年代の頃の話を聞いていきたいと思います。

【丸山】
公に話せないネタも沢山あるけど、よろしくお願いします!笑

スポーツ選手はトップにならないと意味がない?

【izm:五勝出】
プロを目指すスポーツ選手は皆、頂点を目指して日々努力している訳だけど、それが叶わなかった丸ちゃんは、今振り返るとサッカーやってて良かったと思う?

【丸山】
いや〜、メチャクチャ良かったですよ!

結果じゃないというか…
マリノス入って、日本代表になって、
W杯でて新聞の一面飾る予定だったけど(笑)

かすりもしてないけど、好きなこと一生懸命やってやり切ったから今があるし、これからもやっていけると思う。何ごともやり切る経験って絶対必要だし、自分を支えてくれると思います。

【izm:五勝出】
そうやって言い切れるのは素晴らしいし、人生の宝物ですね。ご両親には色々と心配かけたんじゃないですか?(笑)

【丸山】
スペインで引退したあと、お世話になった人に連絡したのよ。お母さんには電話したかな。
もう号泣よ「産んでくれてありがとう〜」みたいな。

【izm:五勝出】
それはお母さんも嬉しかっただろうね。
なんだかんだ、ご両親が1番の味方ですもんね。

【丸山】
普段はお母さんとあまり話さないのよ。お母さん冷たいし、サッカーに関心もないし。でも、その時は褒めてくれたね、LINEだけど。「自慢の息子よ✨」みたいな(笑)

【izm:五勝出】
その時には、息子がゴールデンタイムのバラエティ番組で特集されるとはお母さんも思ってなかっただろうけど(笑)

ところで何でそこまでサッカーに没頭することができたの?

【丸山】
綺麗事はいくらでも並べられるんだけど、実情は引くに引けなくなったというか…。まがいなりにも18歳でお金もらってプロになって、次は海外行くしかないなと。変な自信しかなかったし。

あとは海外挑戦するためにお金を貯めなきゃいけなかったから、バイトの時間を作るために定時制の高校を中退して、通信制に編入して。これも、サッカー以外の退路を断つことになった理由のひとつでした。

【izm:五勝出】
なるほど。丸ちゃんは自分が置かれた状況を客観的に観れる人だと思うけど、何でそんなに勢いよくチャレンジすることができるの?

【丸山】
血筋かなぁ(笑)。そうは言っても、突進する準備はしてるけど。

【izm:五勝出】
無鉄砲に突進している訳ではないんだね。

【丸山】
そう、一応計画書とか作ってるわけよ。
サッカーノートもオリジナルで作ってたし。

【izm:五勝出】
それ今度見せてください!

【丸山】
チャンピオンズリーグで得点取るから逆算したノートで、こういった計画書は未来を描くことは楽しい作業だし、それ自体はラクなのよ。

【丸山】
でもしんどいのはその未来予想図を1週間後の計画まで落とし込んでいく作業で。

1週間後にどんな成長をしていないといけないかを考えて、もっと細かくしていくと明日の予定や過ごし方になるんだけど、そこに書いてある内容は「立ち上がる」とか「歩く」とか、そういった地味な内容なんだよね。

【izm:五勝出】
それは怪我していたから?

【丸山】
そうそう。

改めて見返してみると、本当に怪我が多いサッカー人生だった。立ち上がって、歩けるようになって、サッカーできるようになっての繰り返しなんだよね。

【izm:五勝出】
無鉄砲なイメージが先行して世の中には伝わってる気がするけど、丸ちゃんなりに、色々考えてやってたんだね。凄い。

【丸山】
下手だったからね。その分、ライバルよりも考えないとついていけない。周りの選手たち、才能凄いもん。

惰性でサッカー続けるくらいなら、さっさとやり切っちゃえ。

【izm:五勝出】
丸ちゃんの話聞いてると「やり切った感」があって、サッカーをやり切れなかった僕からすると、すごく羨ましいです。

【丸山】
これは個人の考えの違いだから難しいよね。人から見ると「やり切った感」があるけど、本人は悶々としてるみたいな。最終的には自分で納得できるかどうか、なのかな。

【izm:五勝出】
確かに。心から納得できれば、次のキャリアにも迷いなく進めるよね。

【丸山】
自分で納得できるまでやらないで終わると逃げたみたいになっちゃうし、逃げ癖がついちゃうんだよね。

【izm:五勝出】
だとすると、今一生懸命にスポーツやってる子供たちはどこまでやれば良いと思う?

【丸山】
難しいよね。自分の場合は、小さい頃何度か挫けそうになったけど、親父にケツ叩かれて練習行かされてたからね。多分、他のことやるよりもこいつはサッカーをやってた方が良いと父親は思ったのかなと思うけど。

それぞれの家庭で事情が違うから何とも言えないけどね。子供が何かから逃げそうになった時に、親は無理矢理にでも、ひとつのことに集中させる時間も必要なのかもしれないね。

上列右から3番目が丸山さん。坊主。

【izm:五勝出】
環境でも変わるよね、どこまでやり続けられるのかも。

【丸山】
自分と近い境遇の、色々な先輩の考えや事例を知ることも必要かもしれないね。本田圭佑選手が直属の先輩にいる人生とそうでない人生だと全く違うと思うし。スマホの画面を通じて受け取る情報ではなく、実際にその人の人柄やその生い立ちも含めて知ってるわけだから。

自分の将来を考える際の判断の基準になると思う。

【izm:五勝出】
確かに。

【丸山】
あとは熱量かなぁ。本当に好きだったら後悔しないと思うし。

でもだらだら惰性でサッカー続けてしまっている人もいるのよ、実際。
30歳過ぎてバイトしながらプロサッカー選手です、みたいな。

【izm:五勝出】
競技レベルや場所を選ばず続けようと思えば、続けられるからね。

【丸山】
さっさとやり切っちゃえよと。本当に熱量もってサッカーと向き合いたいなら、惰性で過ごしてる暇なんてないのよ。サッカー選手を職業にしたいのであれば、そこから逃げずに自分と向き合って、何を求めてサッカーを続けているのかについて明確に答えを持っておかないと。

【izm:五勝出】
価値観の差もあるから、その人が何を望むのかはもちろん自由だけどね。

【丸山】
一時期、海外でプロサッカー選手になることを目指して日本で活動してる奴らと何人かでグラウンド借りて練習してたわけ。高校生くらいの時、そこにミュージシャン崩れの25歳のガリガリのおっさんが来たのよ。なんだこいつみたいな感じだったけど、むちゃくちゃ練習するのよ。

その上で単身でブラジルに行ってから、自作で自己PRのDVDを作って。コネクションもないのに、全部のJクラブに片っ端から送りつけて。結局いくつかのチームに練習参加したんだけど、結局Jクラブでプレーすることは叶わなかった。

でも、そこまでやれば自分のサッカー人生に納得できるよね。

【izm:五勝出】
それは確かに、後悔ないね。
次も頑張れるし、人間的にとても魅力的だね。

【丸山】
そうなると「自分のサッカー人生をやり切れるかどうか」に関しては、サッカーの上手い下手は関係なくなってくるんだよね。

【izm:五勝出】
「やり切れるかどうか」は、学生も含めてスポーツ選手の永遠のテーマかもしれないね。

最後に

【izm:五勝出】
ということで、本日は丸山くんありがとうございました!
丸山くん、izmでやっていきたいことありますか?

【丸山】
子供たちや保護者の皆さんに、色々な進路があるよってことを伝えていく活動はどんどんしていきたいですね。このizmマガジンのメディアで色々な選手の事例を伝えていくこともそうだし、自分の経験や知識が、誰かの人生を前に進める一助になるのであれば嬉しいなと。

今、小中学生を対象としたサッカーチームの運営もしているので、実際に育成年代のサッカー少年少女や保護者と接する中で感じた“生の課題”にアプローチしていきたいです。

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